2009 Fiscal Year Annual Research Report
若年認知症者の介護者およびその子どもへの支援方法の構築
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21592903
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
小澤 芳子 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 准教授 (60320769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 美根子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60301850)
日高 紀久江 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (00361353)
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Keywords | 若年精認知症 / 家族介護者 / BPSD / 介護の継続 |
Research Abstract |
I. 目的:本研究は、若年認知症者の介護者、の介護状況を明らかにすることが目的である。 II. 研究方法:若年認知症者の介護者5名を対象に1人90分程度、介護の軌跡および介護の状況について、半構造的インタビューを行った。対象者には、事前に研究説明および内容の録音・メモの承諾を得てから実施した。III.分析:録音テープ、メモから作成した逐語録を繰り返し読み、文章の意味が読み取れる一文ずつにコード化し、各コードを抽象化しカテゴリ化した。 IV. 結果:1.介護声の平均年齢は56.4±11.2歳、性別男性2名・女性3名、続柄は全員が配偶者、平均介護期間は5.6±3.2年であった。また、要介護者の平均年齢は59.4±9.6であった。2.介護の状況について、カテゴリ化を行った。カテゴリは【】、サブカテゴリは<>で示した。その結果、3カテゴリと9サブカテゴリが抽出された。【診断された時の思い】には、若くても認知症になる、診断によって目の前が真っ暗になった、周囲に知れることが嫌だったなどの<診断によるショック>、老後の人生設計が狂った、介護はまだ先と思っていたなど<人生の転化>の2カテゴリが抽出された。【介護上の困難】には、異食や俳徊、運転などの<BPSDへの対応>、退職による収入の途絶えや子供の成長などによる<経済的負担>、若年による保険適応がとなる<医療と介護の狭間>の3サブカテゴリが抽出された。【介護の継続】には、これまでの感謝や親を見てくれたことへのお返し<返礼>、病気だから仕方がないなど<諦め>、実子やきょうだいからの直接的な支援や励まし<家族からのサポート>、デイケアやショートステイへの受け入れ<社会的サポート>の4サブカテゴリが抽出された。 V. 考察:若年認知症の介護は、働き盛りなど若年であるが故に家族の葛藤、経済的やBPSDへの対応等の諸問題が生じていると考える。
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Research Products
(1 results)