2011 Fiscal Year Annual Research Report
特定高齢者における介護予防としての睡眠健康:睡眠の実態と睡眠改善プログラムの検討
Project/Area Number |
21592913
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小松 光代 京都府立医科大学, 准教授 (20290223)
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Keywords | 高齢者 / 睡眠実態 / 睡眠効率 / 中途覚醒 / 生活行動時間 / 運動 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度までに実施した介護予防教室又は老人福祉センター事業に参加する質問紙調査協力者のうち、睡眠健康危険度指標から良眠群と不眠群を25名ずつ無作為抽出し、調査の趣旨・方法を説明した上で同意を得られた者を対象に1週間の睡眠測定(アクティウォッチ)と活動量測定(アクチマーカー)、質問紙による食生活や生活行動,良眠のための生活習慣等の調査を行った。対象者18名中、データにもれのない17名の睡眠測定結果から良眠群9名と不眠群8名に群分けし、睡眠改善プログラムの試案を検討した。 両群を比較すると年令に差はなく、睡眠は、良眠群7.1時間、不眠群6.2時間と有意差はないが前者が長い傾向であった(p=<.069)。睡眠効率は後者が有意に低く(p<.05)、中途覚醒時間も長かった(p<.05)。 対象者の24時間生活行動は、一日の大半を自宅で過ごし、ほぼ毎日趣味や運動を楽しんでいた。運動は、気功、太極拳、ゴルフ、水泳等であり、運動時間は、良眠群69分/日,不眠群135分/日と後者が有意に長かった(p<.05)。さらに活動量測定による基礎代謝も、順に1075.8kcal/日、1249.7kcal/日と後者が有意に高かった(p<.05)。自宅で食事・テレビ視聴、読書等のために座位で過ごす時間と睡眠時間に正の相関(r=.647、p<.01)が認められ、運動や座位時間の長短との関連は予想とは異なる結果であった。良眠のための生活習慣の実践や光暴露量、食生活のバランス・規則性、入眠のための環境整備、日中の眠気との関連は認められなかった。 以上の結果と昨年度までに実施した就寝前と起床時の唾液中ストレスホルモン測定等から、入眠潜時短縮のための入眠前リラクゼーション法、個々の状況に応じた適切な運動量や時間帯の配慮、中途覚醒後の入眠促進法などを睡眠改善プログラムに組み込む必要があることが示唆された。
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