2011 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者家族への支援における「家族生活安定度尺度」適用可能性の検証
Project/Area Number |
21592928
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
北 素子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80349779)
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Keywords | 高齢者 / 在宅看護 / 家族支援 / 在宅介護 / 尺度開発 / アウトカム評価 / 生活安定度尺度 / ケーススタディ |
Research Abstract |
本年度は訪問看護ステーションの協力を得て、これまで開発し、信頼性・妥当性を検証してきた最終版「家族生活安定度尺度」を試用したケーススタディを行い、その有用性を検討した。本研究では、家族を当該高齢者の在宅介護に関わり、かつ、当該高齢者と血縁関係あるいは婚姻関係にある人々の集まりとした。対象は、東京都内に所在する1訪問看護ステーションから紹介を受けた65歳以上高齢者を在宅介護する5家族、および在宅療養支援に当たる訪問看護師5名とした。対象家族に、事前に訪問看護師よりFLSSを配布してもらい、回答してもらった上で後日研究者が在宅介護しながらの家族の生活状況について30分~1時間程度の面接による聞き取り調査を行った。その後、担当の訪問看護師からも、各家族の状況についてFLSSで評価を得るとともに、その家族の強みと弱み、必要と考えられる支援について自由記述で回答を得た。家族によるFLSSの測定値と、家族への面接により聞き取った実際の家族の生活状況に関わる質的データ、訪問看護師によるFLSS測定値との対応関係を検討した。さらに過去に実施したFLSSを用いた調査研究(n=515)より、生活安定度で優位差の認められた要介護度をブレーク変数とした下位尺度および項目毎の平均値と、各家族のFLSS得点との比較を行った。その上で家族の強みと弱み、必要な支援を分析して抽出した。抽出された家族の強みと弱み、必要な支援について、訪問看護師から得た回答との致度を吟味した。その結果、家族への面接から得られた質的データおよび訪問看護師による評価得点との一貫性、家族アセスメントとの一貫性が示された。本尺度が実際の家族状況を捉えうるものであり、支援の方向性を検討する際のひとつの指標として活用しうるものであると考えられた。
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