2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢介護者の介護負担感を低減する被介護者の介護者サポート行動とその背景要因の検討
Project/Area Number |
21592939
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
増井 幸恵 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都, 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10415507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40250196)
伊東 美緒 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20450562)
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (20150881)
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Keywords | 介護負担感 / 介護者サポート / 老老介護 / 人間関係 / 老年的超越 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は、被介護者の介護者へのサポート行動や要介護状態や虚弱への適応方略などの自発的要因が介護負担感にどのように影響を及ぼすかを検討することである。平成22年度は、(1)介護者のサポート行動を測定する尺度作成のための予備調査および、(2)虚弱への適応方略を測定するための尺度の標準化を行う調査を行った。 (1)については、地域在住の要介護高齢者の介護者10名に対して、a.「被介護者の介護場面における介護者サポート行動」に関する質問(介護を少なくする工夫、被介護者を心身両面から支える行動、自分の死後の配慮)、b.被介護者の障害の状態(現病、要介護度、ADL、問題と思われる行動の有無)、c.介護内容(普段行っている介護内容、夜間介護の有無と内容、共同介護者、介護サービスの利用)、d.介護者の心身状況(現病、健康感、介護負担感)、e.介護者と被介護者の人間関係(介護開始前、介護開始後)を半構造化面接によって尋ねた。 その結果、被介護者は、a.セルフケアを積極的に行うことにより必要のない介護を少なくする、b.介護者の感情や気持ちに配慮する、c.できるだけ介護者の介護方針や意志に従う、d.介護以外の生活全般において介護者の家族に配慮する、などの介護者サポート行動を行っていることがわかった。また、介護者が報告した介護者サポート行動の数と介護負担感との間には強い負の相関があり、被介護者の介護者サポート行動は介護負担感を減少させる可能性が今回のデータにより確認された。 (2)については、高齢者約500名に郵送調査もしくは訪問調査を行ない、虚弱への適応方略を測定するための「日本版老年的超越尺度」および精神的健康など他の変数を測定した。その結果、尺度の信頼性が確認された。また、虚弱高齢者において精神的健康との正の相関が確認された。このことは、今回開発した質問紙で測定された方略を取ることにより、精神的健康が高まることを示唆していた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
増井幸恵
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Journal Title
新老年学(第3版)3.2高齢者の感情と人格(大内尉義・秋山弘子(編集代表))(東京大学出版会)
Pages: 1663-1673
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