2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢介護者の介護負担感を低減する被介護者の介護者サポート行動とその背景要因の検討
Project/Area Number |
21592939
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
増井 幸恵 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究員 (10415507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40250196)
伊東 美緒 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究員 (20450562)
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 副所長 (20150881)
|
Keywords | 介護負担感 / 介護者サポート / 老老介護 / 人間関係 / 老年的超越 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は、被介護者の介護者へのサポート行動や要介護状態や虚弱への適応方略などの自発的要因が介護負担感にどのように影響を及ぼすかを検討することである。平成22年度は、(1)85歳以上の要介護超高齢者の適応に関する質的研究、および、(2)虚弱への適応の年齢差および適応と関連する要因を検討した。 (1)については、要介護認定を受けている超高齢者8人を対象に面接調査を実施した。超高齢者の語りの質的分析の結果、虚弱超高齢者の適応には「つながっていること」「変わっていくことに気づくこと」「変わらないことを見いだすこと」「自分だけにできることをみつけること」の4つのテーマが重要であることが示唆された。 (2)については、地域在住の前期・後期高齢者群399名(参加率55.3% 男性率40.0% 平均年齢73.6歳)、超高齢者群:369名(参加率39.0% 男性率31.0% 平均年齢88.7歳)に郵送調査を行った。老研式活動能力指標の10点未満を虚弱、WHO-5の13点未満をうつリスク有りと定義し、分析を行ったところ、前期・後期高齢者群では虚弱者の割合は18%、超高齢群59%であった。このうち、うつリスク有りの者の割合は前期・後期高齢者群では75%、超高齢者群では59%であり、超高齢者群の機能低下者におけるうつリスク率は前期・後期高齢者群よりも有意に低いことが示された(χ2(1)=4.34 p<.05)。また、虚弱高齢者におけるうつリスクの有無と有意に関連する要因は、前期・後期高齢者では社会的な役割を持つこと、超高齢者では対人交流、病気がないといったパーソナルな要因が重要であることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)