2010 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護師のためのフィジカルアセスメント教育プログラムの開発
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21592940
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
三笘 里香 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所, 研究員 (10305849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 豊明 名古屋大学, 医学部, 教授 (20301830)
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Keywords | 訪問看護 / フィジカルアセスメント |
Research Abstract |
1.研究方法 現在訪問看護に従事している訪問看護経験5年未満の訪問看護師を、呼吸のフィジカルアセスメント研修後8週間に研修で習得したことを職場で活用するための支援を受ける群(実験群)と研修後に支援を受けない群(対照群)に無作為割り付けし2群間で比較するランダム化比較試験を行った。研修には研究参加に同意を得られた57名の訪問看護師が参加し、最小化法を用いてランダムに、験群29名、対照群28名に割り付けられた。実験群と対照群の2群間で参加者の特性では統計的な有意差はなく、ほぼ同質のグループであった。 2.結果 実技試験の研修前・研修後テストの平均値の差は、研修前17.14(SD7.41)、研修後29.75(SD6.87)であり、研修後は研修前に比べて実技試験の平均値が有意に上昇した(t(56)=-13.84,p=0.000)。 実験群において、研修8週間後の得点は30.76(SD7.16)、研修直後の得点は29.24(SD7.95)であり、有意な上昇は認められなかった(t(28)=-1.16,p=0.254)。また、研修8週間後の実技試験において、実験群の得点は30.76(SD7.16)、対照群の得点は31.36(SD6.72)であり、有意な差は認められなかった(t(55)=-0.33,p=0.746)。 研修後の実践調査において、実験群において研修後7週目の実践評価得点は10.71(SD2.60)であり、研修3週目の得点10.53(SD2.35)より高い得点を示さなかった(t(26)=-0.68,p=0.502)。研修7週目において実験群が対照群に比べ呼吸のフィジカルアセスメントを有意に実践していた(t(51)=2.01,p=0.049)。 研修後の行動調査において、研修8週間後において、実験群と対照群の行動合計得点は有意な差が認められなかった(t(50)=1.45,P=0.154)。 実験群において、研修8週間後の行動得点と研修7週目の実践得点のPearsonの相関係数は0.102(p=0.622)、研修8週間後の行動得点と研修8週間後の実技試験合計得点のPearsonの相関係数は0.537(p=0.005)、研修後7週目の実践得点と研修8週間後の実技試験合計得点のPearsonの相関係数は0.493(p=0,009)であった。 学習支援プログラムの評価については、満足度の平均値は、実験群39.30(SD4.61)、対照群34.56(SD5.08)であり、実験群の平均値が有意に高かった(t(50)=3.53,p=0.001)。 呼吸のフィジカルアセスメント研修により習得した知識及び技術を、現場での実践に活かすためには、学習に対するモチベーションを維持するために他者からの支援が有効であることが示唆された。
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