2009 Fiscal Year Annual Research Report
被災文化財の活用と文化財防災ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
21601015
|
Research Institution | Niigata Prefectural Museum of History |
Principal Investigator |
田邊 幹 Niigata Prefectural Museum of History, 学芸課, 研究員 (50373478)
|
Keywords | 防災 / 文化財 / ネットワーク |
Research Abstract |
阪神淡路大震災に際して立ち上げられた資料保存ネットワークや、中越地震および中越沖地震に対応した新潟資料ネットの事務局・参加者、新潟県内の文化財行政関係者など、実際に作業に参加した方々の聞き取り調査をもとに被災時の文化財調査ソフトの開発をすすめ、試作版を作成した。これは聞き取り調査の結果、災害時に問題となったことに、どこに文化財があるのかの分からないということ、被災資料調査の情報をどのように集約し、共有するかということ、実際の救出活動の優先順位をどう考えるかということが共通する課題に上ったため、情報を集約し、共有するためのツールとして開発することになったものである。 このソフトは各所での災害、また様々な種類の災害に対応するため汎用性を持たせることに留意しGoogle Mapをベースに作成し、携帯電話などの端末からGPS情報とともに入力が可能で、他地域から応援に入った土地勘の乏しい人でも調査が可能となるように工夫してある。また、実際の被災資料の救出活動の経験と聞き取り調査の成果を基盤に、災害時を想定し、作業場所の有無や道路情報などもあわせて表示するシステムとしているところに特徴がある。今後、災害危険度マップなど他の防災のコンテンツとあわせて使用することによって、文化財防災マップへの発展も考えられる。 また、文化財調査ソフトをより効果的に運用するための組織づくりへ向けての調査をあわせて行った。今後は、より効果的な運用を行うためのシュミレーションを重ねる予定である。
|
Research Products
(2 results)