2010 Fiscal Year Annual Research Report
1細胞培養・刺激応答計測システムの開発による、ES細胞のゆらぎ緩和機構の解析
Project/Area Number |
21602001
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大沼 清 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (50396834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若本 祐一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30517884)
賀喜 白乙 東京工業大学, 大大学院・生命理工学研究科, 特任助教 (20515168)
道上 達男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (10282724)
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Keywords | 1細胞培養 / ES細胞 / ゆらぎ / 微細加工 / 初期発生 |
Research Abstract |
細胞内でのタンパク質等の発現量にはゆらぎがあるために、細胞はそれ自身ゆらいでいる上に、周りの環境もゆらいでいる。本研究課題では、初期発生におけるゆらぎを緩和する機構を調べるため、初期発生の良いモデル系であるES細胞などを使用し、1細胞で培養、観察しながら様々な変化を与え、細胞の応答を測定するシステムを開発する。このシステムを使い一つ一つのES細胞がどのように環境の変化に応答して、安定して分裂、分化できるかを探る。また、初期発生との比較のために、両性類の初期胚を用いた実験も同時に進める。本研究課題により、初期発生の安定性に関する重要な知見が得られると期待される。 昨年度はES細胞を1細胞で培養、観察しながら様々な変化を与えるために、分化誘導因子の濃度や時間変化を自由に制御できるような流路系の改良を行った。問題となっていた、気泡が発生して長期間の実験継続が難しいという問題を解決した。また、シリンジポンプと逆流防止弁を用いることにより、培養液の交換を任意のタイミングで的確に行えるようなった。また、ES細胞に関しては、昨年度に行った無血清・無フィーダ・平面培養という環境下で、未分化と分化の切り替えを適切に制御できる培養条件を検討した。並行して進めていた外胚葉(神経冠細胞)方向への分化誘導の手法(論文発表)が、この系にも適用できる事が解った。また、初期発生における核のゆらぎ(クロマチン流動性)を調べ、発生の進行に伴い核内因子、細胞質因子の両方がそれぞれ流動性を減らす作用を持つ事を明らかにし、論文として発表した。
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