2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21603010
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
倉本 誠 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 准教授 (50291505)
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Keywords | レンサ球菌症 / 生体機能分子 / 構造解析 / 防御物質 |
Research Abstract |
愛媛県は,海面養殖業が盛んであり,特にヒラメ,ブリ,カンパチなどでは全国でも上位3県を継続的に占めている.魚病菌感染による稚魚および成魚の致死が問題であるが,ワクチンの開発によって対処がなされてきた.近年,ヒラメのレンサ球菌の内,S.parauberisの感染では有効なワクチンが無く大きな問題である.しかしながら,同じレンサ球菌のS.inieに感染している魚ではS.parauberisは感染せず,S.inieワクチンの接種後にS.parauberisが発症することを見いだした.この結果より,2種のレンサ球菌の間に忌避関係があることを見いだした. S海θ培養液の有機溶剤による抽出物は,S.parauberisに対して抗菌活性を示した.これより,低分子化合物に活性が推定されたことから,活性物質の分離を目指して大量培養を実施した.PCR分析などを実施し,混入や変異の有無を確認しながら行った.しかしながら,培養を継続することで抗菌活性の低下がみられたことから,培養温度および培養条件の検討を進めた.その結果,ヒラメ血清を培養条件に加えることで,安定して菌体を培養することが出来た.この培養条件を用いることで,安定した実験を行うことに成功した. また,未利用の動植物を中心にレンサ球菌に対する抗菌活性を示す物質の探索研究を実施した.その結果,カイメン動物より複数のアルカロイド化合物を分離することに成功した.平面構造の解析に成功しており,新規化合物と考えられる.さらに継続して立体化学の解析を進めている.特に含臭素化合物を含んでいることから,興味深い化合物群であった.
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