2011 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質構造に隠された生体機能ペプチド「クリプタイド」による生体調節機序の解明
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21603014
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
向井 秀仁 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (20251027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木曽 良明 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (40089107)
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Keywords | クリプタイド / マイトクリプタイド / 生理活性ペプチド / Gタンパク質 / Gタンパク質共役受容体 / 好中球 / バイオインフォマティクス / 自然炎症 |
Research Abstract |
本研究は、我々が多数存在することを明らかにした、タンパク質構造に隠された新しい内因性生理活性ペプチド、「クリプタイド」(Peptide Revolution, 2003, 554, 2004; Biopolymers, 88, 190, 2007; J. Biol. Chem., 283, 30596, 2008)を系統的、網羅的に同定する方法論を確立し同定するとともに、クリプタイドが関与する生体情報伝達機構を明らかにするため、それらの受容体タンパク質を同定、細胞内情報伝達系を解析し、クリプタイドの生理的存在意義を明らかにすることを目的としている。昨年度までの研究により、好中球を活性化する新しいクリプタイドmitocryptide-2(MCT-2)をブタ心臓から単離精製することにより同定し(J. Immunol., 182, 5072, 2009)、さらにその受容体がGタンパク質共役受容体であるホルミルペプチド受容体FPRL1であること、MCT-2による刺激は、FPRL1を特異的に活性化し、細胞内カルシウム濃度上昇やMAPキナーゼの活性化を起こすことで、好中球機能であるβヘキソサミニダーゼ分泌や遊走を惹起すること、それらの細胞内情報伝達にはG_<i2>タイプのGタンパク質が関わっていることを明らかにしている(Biochem. Biophys. Res Commun., 404, 482, 2011)。本年度は、新しいさらにGタンパク質活性化ペプチドの構造情報を解析することで、タンパク質の配列よりGタンパク質活性化ペプチドとなりうる、異なる配列を持つペプチド(クリプタイド)20種を新たに同定した。またこれら同定したペプチドのうち、チトクロムcのC末端由来ペプチドを実際にブタ心臓から単離・精製することに成功し、活性予測したクリプタイドが生体に実在することを示した(Prot. Pept. Lett., in press)。現在これらペプチドが集積することにより起る新たな生体調節機構、すなわち「accumulative signaling」機構についてさらに解析している。
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Research Products
(12 results)