2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21604002
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中村 真毅 Ibaraki University, 工学部, 准教授 (90323211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 宏靖 北見工業大学, 工学部, 助教 (00333667)
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Keywords | Yb / YAG / セラミックレーザー / モード同期 / フェムト秒 / レーザー / 2波長発振 / スーパーコンティニウム |
Research Abstract |
高い量子効率で濃度消光がないという特徴を持つYb^<3+>を添加した媒質はLD励起固体レーザにおいて省エネルギーレーザとして極めて魅力的である。特にYb:YAGは、LD励起にふさわしい広い吸収スペクトルと超短パルス発生を可能にする広い蛍光スペクトルを持つ、優れたレーザ媒質である。近年、電通大と神島化学(株)は高透明性Yb添加セラミックの製造に成功した。このセラミックは結晶に比べて硬度が3倍高く、また熱伝導性も良いために熱衝撃に強く、高密度強励起に向いている。また、大型製品を大量に生産可能であるという利点を持つ。このため低コストに抑えられる。Yb添加セラミックでモード同期レーザ発振も報告されたがYb:YAGセラミックについては報告されていなかった。本研究では、Yb:YAGセラミックを用いたモード同期レーザ発振に初めて成功した。9.8at.%のYb^<3+>を添加した1×5×10mm^3で厚さ1mmのYb:YAGセラミックでプリズム対と半導体可飽和吸収ミラー(SESAM)を用いたX型共振器でモード同期に成功し、得られたパルス幅233fsはカーレンズモード同期を除いたセラミックレーザでは最も短いものであった。さらにアライメント調整によりYb添加レーザでは初めて二波長同時モード同期に成功した。また、SESAMを使わずにカーレンズモード同期を試みたが、共振器内パワーが不十分だったため、良い結果は得られなかった。共振器内パワーを向上させることが今後の課題である。最後に北見工大と共同でフェムト秒レーザ光を重水中に設置したテーパファイバに伝播してスペクトル幅100nm以上の超広帯域光(スーパーコンティニウム光)を得る事に成功した。北見工大でのシミュレーションも既に始めている。
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Research Products
(7 results)