2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21604005
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
持地 広造 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40347521)
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Keywords | 表面分析 / 二次イオン質量分析 / クラスターイオン / キャピラリー |
Research Abstract |
(1)前年度までに試作したガラスキャピラリーを用いて、アルゴン(Ar)クラスターイオンビームの通過特性を評価した。最小出口径:9.6μmまでのキャピラリーについてArイオンビームの通過を確認した (2)キャピラリー通過によるイオンの速度変化を測定した。イオンビーム途上に偏向電極を設け、偏向電極にパルス電圧を印加することによりイオンビームをパルス化し、飛行時間計測法によりイオンの速度を測定した。この結果、Arクラスターイオンの速度はキャピラリー通過(出口径:140μm)によって変化しないことが判明した。 (3)キャピラリー通過によるArクラスターイオンの運動エネルギーの変化を測定した。イオンビームを蛍光板に衝突させてその蛍光スポットでビーム位置を計測できるようにしておき、ビーム途上に設置した偏向電極に電圧を印加したときの蛍光スポットのシフト量からイオンの運動エネルギーを見積もった。この結果、Arクラスターイオンの運動エネルギーは、キャピラリー通過(出口径:48μm)によって20~30%減少することが判った。(2)の結果を合わせることにより、Arクラスターの質量(構成.原子数)がキャピラリー通過によって20~30%減少することが明らかとなった。この質量減少は、イオンがキャピラリー内部の残留ガス(計算により圧力:~1x10^<-2>Paと推定)と衝突することにより起きるものと考えられる。
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