2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21604008
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
神門 正城 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50343942)
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Keywords | 高強度レーザー / レーザープラズマ相互作用 / ソリトン / 赤外光 |
Research Abstract |
今年度は、ソリトン生成とその放射過程を解明するためにテラワット級レーザーを用いた実験を行ない以下の成果を得た。(1)12TW,30fsのレーザー光(ポンプ光).がプラズマ中に作る構造を側面および対向から2種類のプローブ光を導入し、側面から観測を行った。対向プローブを導入しない場合に、ソリトン構造からと思われる発光点を観測した。次に対向プローブを入射させると、ポンプ光よりも遅く到着する場合に、より強い発光が観測された。これによりこの発光の原因となる構造がポンプ光と同期していることからソリトン壁により散乱されたものと考えられ、ソリトン機構を支持する結果を得た。(2)また、THz領域の電磁放射観測を試みた。計測器は、レーザー進行方向から150°方向でレーザーの偏光方向面内でDTGS(重水素置換トリグリシンサルフェイト)計測器を用いた。この計測器に厚さ1mmのポリエチレン窓が取り受けられており、10GHz~40THzの電磁波に感度がある。この出力をオシロスコープにて観測した。パルス幅40fsでは、10MeV以上の高速電子が発生するが、観測された信号は、通常のDTGS検出器の出力と異なり、幅3ms以上にわたってほぼ減衰のない出力であゆ、値も400mV程度であった。パルス幅を増大させ、レーザー出力を下げて行くと、140fsを超えたあたり、から信号強度は高くなり、最大6Vの出力が得られた。このときの波形は0.5ms程度で信号強度が半分となり、通常期待される波形であり、10GHz-40THzの領域の電磁波が生成されていることは確かめられた。集光強度が高い場合に観測できなかった理由の1つとして、プラズマ生成に伴う電磁パルスによるノイズにより検出器が正常に応答していない可能性が考えられる。これは固体ターゲットを用いた場合には観測されていた現象であるが、ガスターゲットでは今回初めて観測されたものであり、電磁シールド強化などの対策を行う必要がある。
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Research Products
(6 results)