2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波領域の電磁波計測を応用したバンチ長モニターの研究
Project/Area Number |
21604011
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
諏訪田 剛 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (20236061)
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Keywords | バンチ長計測 / ミリ波・マイクロ波計測 / 電子・陽電子線形加速器 / ファブリーペロー共振器 / マイケルソン干渉計 |
Research Abstract |
本研究は、電子(又は陽電子)線形加速器において、ビームを破壊することなく電子ビームのバンチ長を簡便かつ高性能に計測する新しいバンチ長モニターの開発とその実用化を目的としている。提案する新しいバンチ長モニターにより、線形加速器の真空パイプ間隙から漏れでるビームに起因する電磁放射(電波)が周波数領域で計測され,その周波数スペクトルを高精度に計測することによりバンチ長が推定される.本研究は、国内外に研究例がなくユニークな手法で、また、電子・陽電子ビームに特定するものではなく、量子ビーム全般に応用可能と考える. パイプ間隙から放射する電磁放射のスペクトルはビームのバンチ長に強く依存し、かつ、電子が低エネルギーの場合(<100MeV)はエネルギーにも依存し、周波数領域はマイクロ波からミリ波に及ぶ。広範な周波数領域で高精度にスペクトル計測を行うために数値解析に基づく基本設計を行った.電磁放射スペクトルのシミュレーションに基づく数値解析により、放射電磁波の空間分布、強度分布、スペクトル分布のバンチ長依存性を解析し、検出器設計のための基本パラメータを計算した。特に、パイプ間隙の幾何学的構造の最適化は、重要な設計課題の1つでサブピコ秒のバンチ長計測には必要な解析となる。 本解析に基づき,ミリ波領域の電磁波検出器の設計検討を行い,広帯域かつ高感度なファブリーペロー共振器型電磁波検出器の最適設計を行った。本共振器は,10-50GHzの周波数帯域で高Q値(>10^4)を有するオープン型空洞である.しかし,残念ながら試作段階において想定外の技術的不具合が発生し,性能を達成することができなかった.その後,設計性能を出すための対策検討を行なった結果,不具合改修完了に約4ヶ月の遅延が生じることがわかり,検出器の製作を平成22年度に繰り越さざるを得なくなった.
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