2012 Fiscal Year Annual Research Report
高速クラスターイオン照射による非線形的2次イオン強度増大効果の解明
Project/Area Number |
21604016
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
平田 浩一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (80357855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 勇一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 高崎量子応用研究所, 研究主幹 (40360424)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 量子ビーム / 2次イオン / クラスターイオンビーム |
Research Abstract |
平成24年度は、2次イオン強度に及ぼす単原子とクラスターイオン照射の比較測定を中心に追加実験を行い、これまでの実験結果と合わせて、成果のまとめを行った。 これまでの研究から、高速クラスターイオン照射による2次イオン生成に関して、次のような特徴を得た。単原子およびクラスター炭素イオン(0.5 MeV/原子-C1およびC4、(0.1~0.5 MeV/原子-C8))、C8とほぼ同じ質量である単原子Mo重イオン(4~14 MeV)を有機薄膜材料に照射した際に放出された材料表面の化学構造分析に有用な2次イオン量を例とすると、(1)1次イオンを同速度で照射しても、クラスター数が増加すると入射原子当たりに生成する2次イオン量が増加する、(2)同種のクラスター照射に関して、入射エネルギーの増加により2次イオン量が増加する、(3)C8照射では、同じ入射エネルギーのMoと比較して2次イオン強度が数倍程度高く、また、数分の1程度の入射エネルギーでMoと同程度の2次イオン強度を得ることができる、(4)クラスターイオン照射では、単原子炭素イオン照射時に観測される試料表面の帯電による負2イオン強度の急激な減少が観測されない、ことがわかった。 (1)~(3)は、高速クラスター1次イオンが高感度な有機材料分析に有用であることを示し、(2)は、その高い2次イオン強度には電子的エネルギー付与が大きく影響することを示唆している。さらに、(4)は、クラスター1次イオンでは、試料表面の帯電が抑制され、2次イオンが安定的に放出されていることを示している。このように、高速クラスター1次イオンでは、高い電子的エネルギー付与に加えて、帯電の抑制により、安定的に高い2次イオンを得ることができる。この高速クラスターの優位性は上記条件に限られたものではなく、C60イオン照射等でも観測された。これらの知見を、国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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