2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織的ナノ・マイクロ構造化ITO代替フレキシブル透明電極
Project/Area Number |
21605001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (10136525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 大佑 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (60435625)
|
Keywords | 自己組織化 / 構造・機能材料 / 電子・電気材料 / 透明電極 |
Research Abstract |
連続したネットワーク構造であるハニカム様多孔質高分子フィルムのフォトクロミズムを利用した選択的金属化に関して検討を行った。透明導伝膜として使用するにあたり、必要な部位にのみ導電性を付与することは、パッシブ型のタッチパネル等に用いられる異方性透明導伝膜の作製において非常に重要になる。そこで紫外線照射により双性イオンを生み出す、スピロピランを側鎖に有する界面活性剤をラジカル共重合により合成した。この界面活性剤を用いて高湿度下で塗布・製膜することでハニカム様多孔質高分子フィルムの作製に成功した。また、合成した界面活性剤のスピロピラン側鎖は紫外線を照射することで正電荷と負電荷を生み出し、この負電荷に触媒作用を有するパラジウムイオンを錯化させ、ヒドラジンを用いて還元、その後無電解メッキにより銀を析出させることで、紫外線を照射した部位にのみ銀に由来する導電性を付与することができ、実際に作製したハニカム様多孔質高分子フィルムの選択的メッキにも成功した。また、鋳型となったハニカム様多孔質高分子フィルムは、無電解メッキにより析出させた銀の微細構造を残したままクロロホルム等の溶媒により溶出することが可能であり、溶出させた界面活性剤は繰り返しハニカム様多孔質高分子フィルムの作製に利用が可能であると考えられる。本年度合成した界面活性剤を利用し、小孔径ハニカム様多孔質高分子フィルムを作製することで、任意のパターンに簡単に加工可能な透明導伝膜の作製が可能であると示唆された。
|