2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織的ナノ・マイクロ構造化ITO代替フレキシブル透明電極
Project/Area Number |
21605001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (10136525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 大佑 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (60435625)
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Keywords | 自己組織化 / 構造・機能材料 / 電子・電気材料 / 透明電極 |
Research Abstract |
本年度はDewettingを利用した異方性透明導伝膜の作製に関して集中して検討を行った。金イオンを相関移動触媒およびアルキルチオール存在下、水素化ホウ素ナトリウムで還元することで、平均粒径3nmの金ナノ粒子を合成した。合成した金ナノ粒子をクロロホルムに分散させ、Dewettingによりラインアンドスペース状に金ナノ粒子を並べた。このとき、金ナノ粒子分散液の濃度や、作製条件を変えることで、ライン幅やそのスペース、ライン上に有する金ナノ粒子の量を制御することができた。その後200℃で2時間焼成することで金ナノ粒子を溶融させ、金のラインアンドスペース構造を作製した。作製した金ラインアンドスペース構造の導電性を測定したところ、3.82×10^3S/cmというITOに匹敵する高い導電性を有しており、また、透過率を測定したところ350nm-800nmの可視光領域において80%を超えていることが明らかとなり、異方性透明導伝膜の作製に成功した。この手法は200℃と言う比較的低温での金ナノ粒子の焼結を可能としており、実際にフレキシブルプラスチック基板上にも作製可能であり、500nmの波長において75%を超える透明性を有するフレキシブル異方性透明導伝膜の作製に成功した。本手法は金ナノ粒子分散液を塗布、焼結するだけで作製可能なため、非常に簡便かつ省エネルギープロセスであり、装置を大型化することで簡便に大面積作製することができる。本手法で作製した異方性透明導伝膜はパッシブ型のタッチパネルに応用可能であり、様々な用途での使用が期待される。
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