2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己形成される有機/無機ナノコンポジット無色透明導電材料の講究
Project/Area Number |
21605003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星野 勝義 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (50192737)
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Keywords | 透明導電材料 / 有機導体 / ナノ材料 / ディスプレイ / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
本研究は、近年資源枯渇による需給バランスの崩れが懸念される透明導電材料に関する内容である。具体的には、導電性ポリマーであるポリカルバゾール膜に金属を接触させると、膜が無色透明化し、しかも伝導性を有する膜(以降ハイブリッド膜)が得られることを見出した内容である。今年度は研究計画に従い、金属側とポリマー膜側の材料を変えた検討を行った。まずは金属を変えた実験であるが、これまでのAlやSnの代わりにZn,Ga及び種々のGa合金を用いた検討を行った。Znを用いた場合、ポリカルバゾール膜との親和性が悪く蒸着法を用いた接触ができなかった。そこで、Ga、Ga-Sn,Ga-In, Ga-Zn合金をポリカルバゾール膜に単に圧着しハイブリッド化と透明導電膜形成の可能性の検討を行った。その結果、いずれの場合にもハイブリッド化反応が進行し、無色透明性と電気伝導性に優れた(~10^<-3>S/cm)透明導電性ハイブリッド膜を得ることができた。中でもGa-Sn,Ga-In及びGa-Zn合金の融点はそれぞれ20.5℃,15.7℃及び24.7℃であるので、常温ハイブリッド化が可能であり、特別な装置を用いないために工学的利用に際し極めて有利である。以上の結果については論文当校準備中である。次にポリマー側の材料をポリアニリン及びカルバゾールとピロールの重合体に変え、ハイブリッド化の可能性と電気伝導度向上の可能性の検討を行った。その結果、両ポリマーとも金属接触によりハイブリッド化が進行し、無色透明導電膜となったが、基板との接着性が極めて高いために剥離ができず電気伝導度測定ができなかった。今後の継続課題としたい。
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