2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ燃料電池の高出力化-白金触媒フリー燃料電池を目指して-
Project/Area Number |
21605004
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中村 暢文 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60313293)
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Keywords | バイオ燃料電池 / バイオデバイス / 酵素触媒 / 生物電気化学 / タンパク質工学 / ナノ粒子 / 自己組織化単分子膜 / 電子移動 |
Research Abstract |
白金触媒に代わる、生体由来の触媒を用いた燃料電池(バイオ燃料電池)に関する研究が近年非常に多くなってきている。しかしながらその出力はまだ十分ではない。このバイオ燃料電池の出力を上げることを最終的な目的として、本年度は、1.電極-酵素間の高速電子移動を可能にするための酵素の配向制御、2.電極の実効面積を増大させる方法についてそれぞれ検討を行った。その結果、1.に関して、まず、カソードについて、ビリルビンオキシダーゼを触媒とし、様々な自己組織化単分子膜(SAM)上の電子移動を解析し、カルボキシル基を末端に持つ場合に、比較的良好な電子移動を行うことが可能であることを見出した。また、アノードに関しては、直接電子移動タイプのフルクトースデヒドロゲナーゼに対して、末端にヒドロキシル基を持つSAMの場合に電流密度が大きくなるという結果を得、直接電子移動型でこれまで報告されているものの中で最も高い電流密度を得ることに成功した。2.に関して、酵素の三次元的な固定化法の検討として、金ナノ粒子を用いることによって電極の実効面積を270倍まで増加できることを見出した。これらの結果に基づき、直接電子移動型のバイオ燃料電池を構築し、その発電特性を評価した。この電池は、メディエーターやセパレーターを必要とせず、非常にシンプルなセル設計で発電することが可能であった。その出力は溶液を攪拌させた条件において、開回路電圧は720mV、最大電流密度は4.9mAcm^<-2>最大電力は0.87mWcm^<-2>(300mVにおいて)であった。これまでに報告されているほとんどの直接電子移動型バイオ燃料電池の出力は数μWcm^<-2>であり、比較的高出力のバイオ燃料電池の1つを作製できたものと考えている。
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[Journal Article]2010
Author(s)
中村暢文
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Journal Title
イオン液体III-ナノ・バイオサイエンスへの挑戦-(シーエムシー出版)
Pages: 178-186, 195-203
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