2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ燃料電池の高出力化 -白金触媒フリー燃料電池を目指して-
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21605004
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中村 暢文 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60313293)
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Keywords | バイオ燃料電池 / バイオデバイス / 酵素触媒 / 生物電気化学 / タンパク質工学 / ナノ粒子 / 自己組織化単分子膜 / 電子移動 |
Research Abstract |
白金触媒に代わる、生体由来の触媒を用いた燃料電池(バイオ燃料電池)に関する研究が近年非常に多くなってきている。しかしながらその出力はまだ十分ではない。そこで本研究では、バイオ燃料電池の出力を上げることを最終的な目的として研究を推進している。 平成22年度には、(1)電極-酵素間の高速電子移動を可能にするための酵素の配向制御に関する研究として、カソード触媒として用いられるラッカーゼについて、カーボンナノ粒子をジメチルフォルムアミドに分散させ、炭素電極にキャストし風乾することで比較的良好な電子移動を行うことが可能であることを見出した。また、(2)酵素の3次元的な固定化法の検討について、カソードのみならず、アノードのアルコールデヒドロゲナーゼについてもカーボンナノ粒子をカーボンペーパー電極上に物理吸着させることで、電極の実効表面積を増大させることができることを明らかにした。また、23年度において取り組む予定であった、(3)複数酵素固定による高出力化についても、アルコールデヒドロゲナーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼを同時に電極上に固定化し、エタノールの4電子酸化が可能であるという先行実験に成功した。さらに、シトクロムP450について、NADHを直接電子供与体とする一原子酸素添加反応に成功し、バイオ燃料電池のアノード用に作製してきたNADHを再酸化するメディエーター固定電極を用いてシトクロムP450を駆動できる可能性をも示すことができた。
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