2010 Fiscal Year Annual Research Report
低原子価ニオブ触媒を用いた単純アルケンの高付加価値変換反応
Project/Area Number |
21605011
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大洞 康嗣 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (50312418)
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Keywords | 低原子価ニオブ / 1,3-シクロヘキサジエン / アルケン / アルキン / 環化付加 / 三成分カップリング |
Research Abstract |
1,3-シクロヘキサジエン誘導体はDiels-Alder反応の反応剤として有用な化合物であると共に耐熱性に優れたポリマー材料の原料としても有用である.1,3-シクロヘキサジエン誘導体のアトムエコノミーな合成法として遷移金属触媒を用いた2分子のアルキンと1分子のアルケンによる[2+2+2]環化付加反応が挙げられる.これまでに我々は三塩化ニオブ触媒を用い末端アルキンとアルケンとの[2+2+2]環化付加反応が進行し1,3-シクロヘキサジエン誘導体が得られることを報告している.本研究では三塩化ニオブ触媒を用いた末端アルキンとα,ω-ジエンとの反応において5-ω-アルケニル-1,3-シクロヘキサジエン誘導体が高化学・位置選択的かつ高収率にて得られることを見出した.本反応において生成物が高選択的に得られている要因の1つとしてニオブ化合物へのα,ω-ジエンのキレート効果が考えられる.また本研究で得られた1,3-シクロヘキサジエン誘導体はω-アルケニル基を有することでWacker反応を用い容易に官能基変換ができることも見出している.さらに,同触媒を用い末端アルキンと内部アルキンとアルケンとの反応において,三成分[2+2+2]環化付加反応が進行し1,3,4,5-置換-1,3-シクロヘキサジエン誘導体が高化学・位置選択的かつ高収率にて得られることを見出した.本反応はシリルアセチレンの電子的・立体効果が顕著に現れる反応であることがわかった.また本反応で得られたSi基を有する1,3-シクロヘキサジエン誘導体はフッ素塩基を用いワンポット反応で容易に脱シリル化が進行することも見出している.
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Research Products
(5 results)