2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ金属固溶型K系ファイバー単結晶による無鉛強誘電体の実現
Project/Area Number |
21605012
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
木村 秀夫 National Institute for Materials Science, 情報通信材料研究萌芽ラボ, グループリーダー (50343843)
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Keywords | 無鉛強誘電体 / ファイバー単結晶 / 複数元素添加 / 希土類元素添加 / 方位制御 / インピーダンス / 誘電率 / 低温・高温 |
Research Abstract |
KNbO_3-NaNbO_3系の状態図は全率固溶体を形成し、液相線と固相線の間隔が広いため、固溶体結晶の優秀性が期待されるにも関わらず、融液からの均一組成単結晶育成は困難である。しかし、同じアルカリ金属でもKに対して周期律表でNaとは反対側にあるRbやCsではNaよりイオン半径が大きいため、これらをNaと共添加することで組成変動を抑制した単結晶育成が可能となる。共添加技術は、以前には固溶体希土類ガーネット単結晶育成に適用し、有効性を確認している。 ファイバー単結晶育成には、Ptチューブとリング状ハロゲンランプを持つことを特徴とするファイバー単結晶育成技術を用いた。縦長Ptチューブを用いることで原料融解後の自然対流による融液攪拌が進み、常に融液組成を均一に保持することができ、全率固溶型状態図を持つ強誘電体単結晶が育成できた。種結晶の使用が困難な為、希土類元素添加に因る容易成長方向制御を行っている。c軸方位で単結晶を育成すれば、固相転移の影響をほとんど受けないと推定されるが、これには至っていない。原料合成技術としては、固相法を採用し、炭酸化合物の吸水性と固相合成反応時の成分の蒸発が問題は、低純度原料の利用をで解決した。結晶育成では、KNbO_3系単結晶を主なターゲットとし、方位による電気特性変化を評価している。共添加は、NaとRb、Csそれぞれの共添加の場合について実施した。電気特性では、誘電率・誘電損失の温度依存性、インピーダンスの周波数依存性、強誘電ヒステレシスを中心に評価した。
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