2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域における子どもの発達と世代間交流-後期高齢者のかつての生活様式を遊びとして-
Project/Area Number |
21610023
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
金田 利子 同朋大学, 社会福祉学部, 教授 (60086006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草野 篤子 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (00180034)
主藤 久枝 白梅学園短期大学, 実習指導センター, 助教 (80585117)
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Keywords | 世代間交流 / 高齢者 / 子ども / 労働的遊び / 相互互恵的発達 / 主導的活動 / 地域に根差した素材・用具 / 民生委員・社会福祉協議会・行政 |
Research Abstract |
本研究は、便利化されている生活をしている未来世代である子どもたちが、生活の原理を、先行世代(高齢者)の生活様式を「遊び」とりわけ「労働的遊び」(ごっこのように虚構の遊びではなく実際に目的を持って作るのだが、過程がおもしろいからこそする行為)として取り入れていくことによって、学ぶという保育を実験的に行い、その教育的効果を子ども・高齢者の人間的発達と地域の活性化の視点から捉えることを目的とした。 第一年目の一昨年には、実践的実験を行って、その成果を冊子にまとめた。二年目の2010年度は、1つには、この冊子を増刷し、それに基づき成果を公開し、討論し、検証すること、および、2つには、このテーマの視点を地域にどう根付かせていくかの開発・創造に力を入れた。1については、国内では(1)日本保育学会(5月)、(2)世代間交流学会(8月)、(3)母子衛生研究会シンポジウム(11月)、また、(4)日本発達心理学会自主シンポジウム(2011年3月)、さらに、国際的にはスウェーデンで行われた(5)世界幼児教育・保育機構世界大会(8月)で報告した。そうした場で、討論を展開してきた。その結果、このような取り組みの必要性についての理解が得られた。2では、白梅学園大学が子育て支援で共同の取り組みをしている東村山市に依拠し、そこに協力園を作り、地域に根差した素材や生活用具を用いて、地域の高齢者と幼児の保育所・幼稚園を拠点にどう広めるかについて探究した。具体的には、民生委員や地域の高齢者の方々の聞き取りを行った。また、身近な素材や用具を用いた実践的実験としては、高齢者と幼児の親と幼児の3世代でのおにぎりづくりに取り組んだ。結果としてこのテーマを地域に根付かせるためには、何が大切か、高齢者の生活実態をつかむことが大切で、そのためには、行政や社会福祉協議会等の協力が不可欠であることなど、一定の方向をつかむことができた。次年度では、このことを実践的に検証していく。
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