2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21610027
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare Junior College |
Principal Investigator |
岡本 拡子 Takasaki University of Health and Welfare Junior College, 児童福祉学科, 教授 (80309442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
無藤 隆 白梅学園大学, こども学部, 教授 (40111562)
新開 よしみ 東京家政学院大学, 家政学部, 准教授 (50369352)
松嵜 洋子 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (90331511)
吉永 早苗 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (80200765)
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Keywords | 音環境 / 保育 / カリキュラム / 表現 / サウンド・スケープ |
Research Abstract |
本研究では,保育現場で実践モデルとなり得る「音環境をいかした保育」のカリキュラム開発と,この実践モデルを現場に対して啓蒙していくことを目的としている。 21年度は申請者らが作成した「音環境をいかした保育実践のためのチェックリスト」試行版を用いた保育者への調査結果を精査し,「1.保育者が把握している物理的・空間的環境」「2.保育者が行う物理的・空間的環境構成」「3.人的環境としての保育者のあり方」「4.音や音楽に関わる保育活動」「5.子どもの様子」の5群40項目からなる改定版「保育における音環境チェックリスト」を作成した^i。そしてこの改訂版チェックリストを用いて,再度保育者らを対象とした調査を実施し,指標となる音環境の要因として,「(1)音楽活動への接触」,「(2)音への関わり」,「(3)音環境の構成」,「(4)環境音への気づき」の4因子を抽出し,それぞれの因子についての考察を行った。 その結果,保育者は物理的・空間的環境及び人的環境といった具体的な音の環境については意識を向けやすいが,保育内容・方法・援助や子どもの様子から音環境をとらえ直すという点については意識が向きにくいという結果が得られ,さらに,チェックリストを用いることにより,保育者の音環境に対する意識を高め,保育のふりかえりや様々な気づき・工夫を促す可能性が示唆された。 また,保育者が音環境を意識しながら具体的な保育内容・方法・援助を導くための手立てとして,「音環境マップ」の活用を提案し,日々の保育実践の中でどのように音環境をいかすことができるかについての検討を行った。その結果,「音環境マップ」を作成することで,遊びと場の音環境特性との関係が分かる,意識的に必要な音環境を作り出すことができる,音環境に配慮しながらそれぞれの遊びや場をどのように繋ぐ(あるいは切り離す)かの工夫が可能となるなど,園の音環境を俯瞰的に見つつ,具体的な保育内容・方法・援助にいかすことが可能となることが示唆された。
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Research Products
(2 results)