2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21611001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
工藤 博幸 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60221933)
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Keywords | 医用画像 / CT / 画像処理 / 画像再構成 / 逆問題 / コンプレストセンシング / MAP推定 / 被曝量 |
Research Abstract |
本研究は、CTにおいて、X線被曝量を大幅に削減する新しい撮影方式と低線量で取得した投影データから高画質のCT画像を生成する画像再構成法を開発することを目的とする。本年度は、1)X線を検査の関心領域(ROI)のみに照射して被曝量を大幅に削減する関心領域X線照射方式と呼ばれる新しい撮影方式を開発すること、2)コンプレストセンシングと呼ばれる最新の逆問題解法に基づく画像再構成法を開発して低線量のX線照射で高品質のCT画像を生成すること、の2つのテーマに取り組んだ。前者のテーマでは、代表者らの先行研究を出発点として、ROIのみにX線を照射して測定した投影データからの画像再構成問題の解の一意性・安定性を明らかにし、実際に投影データから画像再構成を行う2つの再構成法(DBP-POCS法と呼ばれる解析的手法、Th-OSEM法と呼ばれる逐次近似に基づく手法)を開発した。そして、これらの再構成法を実装してシミュレーション実験による性能評価を行った。更に、人体頭部CTと胸部物理ファントムの実データに適用して性能評価を行い、実データに対しても有効に動作することを確認した。後者のテーマでは、同一患者の以前に撮影したCT画像や動画像における時間方向の類似性から事前情報を構成し、これをコンプレストセンシングの手法と組み合わせて少数方向や低線量で取得した投影データから高品質のCT画像を生成する新しい画像再構成法を開発した。そして、これらの再構成法を実装して、静止画像と動画像の撮影を想定したシミュレーション実験による性能評価を行った。なお、以上の成果は、3件の雑誌論文、2件の国際会議論文、3件の国内学会発表(うち2件は招待講演)として公表している。次年度以降は、本年度に得られた理論的成果を更に発展させることと、CT装置の実データを用いた詳細な実験的研究を行いたい。
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Research Products
(4 results)