2009 Fiscal Year Annual Research Report
多施設間における放射線治療機器の包括的精度向上のための基盤構築
Project/Area Number |
21611004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 武宏 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (10159981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 雅彦 大阪大学, 医学部附属病院, 特任教授(常勤) (90186594)
隅田 伊織 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (10425431)
高橋 豊 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (40353461)
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Keywords | 放射線治療 / 多施設調査 / 精度管理 / 国内施設リスク予測 / 医学物理士 |
Research Abstract |
2009年9月に、関連病院(計24施設)に対するアンケート調査を実施した。内容は、人員および保有設備等を把握し、実態調査を実施することとした。外部放射線治療機器の台数、出力可能な線質、放射線治療スタッフ、医学物理業務の専従度、業務時間、日々の精度管理に要する時間、保有するQA機器、また定期的なQC項目として、幾何学的精度および線量に関するものに区別した。前者は、治療機のガントリ、コリメータ、寝台の位置、レーザー投光位置、および緊急停止スイッチの機能等のインターロック動作確認とした。後者は、ビームの出力、線質、平坦度・対称性とした。定期的QA項目、そして項目に対する許容値および頻度は、外部放射線治療装置の保守管理プログラムを参考にした。 人員配置に関して、半数以上の施設で、精度管理を行う職種がいた。しかし、精度管理業務に8割以上専従する施設は、1施設であった。QC項目では、ガントリ回転時の照射精度、回転角度表示、レーザー投光位置の確認は大半の施設で規定の頻度以上に実施されていたが、距離計の精度確認は、実施頻度が低い結果となった。寝台に関して、回転角度表示の確認は多くの施設で実施されていたが、移動量の精度確認は少数施設のみ実施されていた。インターロックに関して、ビームの緊急停止スイッチの動作確認が未実施の施設が約65%であった。線量精度検証では、ビームの平坦度・対称性の確認が、規定頻度内で実施されていた施設は半数であった。これは、施設保有のQA機器の有無に関係していた。直読性の高い多列型半導体検出器を持つ施設では、規定頻度で確認されていた。これらの結果を、同年9月26日に、本学にて関連病院参加のもと、報告した。多施設間で、相互に放射線治療現場の実態が把握できた。施設の保有設備によって実施困難なQA項目、効率的な精度検証が可能な手法等の情報交換ができ、有益であった。
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