2011 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー弁別能力を持つX線CTの非対称フィルタによる実現
Project/Area Number |
21611005
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
戸田 尚宏 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (00227597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 修司 名古屋大学, 医学部, 講師 (20242878)
|
Keywords | X線CT / X線エネルギー / Dual-Energy / コーンビームCT / 非対称フィルタ |
Research Abstract |
本研究では、CT装置のX線射出口に非対称な形状を持つ吸収フィルタを装着し、測定を行う事で1回のスキャニングでDE(Dual Energy)法による再構成像を得る方法の確立を目的としている。 昨年度は3次元的なコーンビーム方式のCTへ拡張において、1.急峻な立ち上がりを持つ非対称フィルタは如何なる対称フィルタを用いた場合よりも解への収束が速く、安定して再構成が可能である事、2.非対称フィルタを実際のコーンビームX線射出口に装着する際、設置の精度が保てない場合においても、撮像領域を部分的に低分解能化する事で、再構成に与える影響を極力少なくする方法を発案し、シミュレーションによりそれが有効に機能する事を確認した。本年度は 1.上記の成果をまとめ電子情報通信学会論文誌に投稿し、採録を得た。 2.3次元非対称フィルタによる再構成法は現時点では大規模な非線形最適化を用いるため、現実的サイズの画像に対しては計算時間の問題があるため、Fesslerらの尤度関数に基づき直接最適化する方法から、その改良と考えられるO'Sullivanらが提案しているI-Divergenceを評価関数として用いる方法に変更し、その基本的な性能を種々の条件において数値的に検討した。その結果、I-Divergenceを用いる方法は比較的高速に解を求められることが判った。しかしながら初期値の設定方法や、収束パラメータの設定に関してさらなる検討が必要であることがわかった。 3.モンテカルロシミュレーションは極めて計算時間が必要であるが、近年、利用が容易となってきたマルチコアCPUを用いてその並列化の効率について検討したところ、プロセス間通信を殆ど必要としないため、ほぼコア数倍の効率が得られることがわかり、今後、非対称フィルタ法の実装に向けたより詳細なシミュレーションが可能となる見通しを得た。
|
Research Products
(7 results)