2010 Fiscal Year Annual Research Report
点状線源によるPET装置の新しいQC・QAとトレーサビリティ向上
Project/Area Number |
21611007
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長谷川 智之 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10276181)
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Keywords | 医学物理学 / 品質管理 / PET / 校正 / 定量性 / 点状放射線源 |
Research Abstract |
PET(陽電子放出断層撮像法)は様々な生体機能の検査やがん診断等に有効な手法であるが、その有効性はPET装置の物理特性に関わる品質管理(QC)及び品質保証(QA)の成否に大きく依存している。中でも重要なのが定量性に関わる評価・校正である。しかし、ファントムを用いる従来手法は信頼性・利便性に問題があるため、それが、臨床・研究の現場においてPETの定量性を損なう原因となっている。本研究は、点状線源を用いる新しい定量性評価・校正法を開発することにより、従来手法の問題点を解決し、PET装置の性能評価・校正に関わるQC・QAの改善及びトレーサビリティの向上を図り、PETの可能性を最大限に発揮させる基盤構築に資することを目的とする。 本年度は以下の成果を得た。(1)利便性に優れた微小球形状のNa-22点状線源を試作し、その物理特性をMonte Carloシミュレーションにより評価し、従来タイプの点状線源(コイン型、キューブ型など)よりも物理特性が優れることを明らかにした(原著論文発表)。また、微小球形状のGe-68点状線源についても同様な成果を得た(原著論文発表)。(2)点状線源を用いる新しい校正法を、臨床用PET装置の校正定数決定および校正定数の変動評価に利用し有効性を確認した(原著論文発表)。また、臨床用PET/CT装置(北里大学病院)、小動物用PET装置(理化学研究所分子イメージング研究センター)にも本手法を適用し、提案手法の有用性を確認した。また、Ge-68点状線源を新たに導入し、さらなる発展的手法の開発にも着手した。(3)新たなトレーサビリティ体系構築とPET装置校正の信頼性・利便性向上のため、新しい線源放射能校正法の開発をさらに進めた(原著論文発表)。なお、以上の研究は織田圭一(東京都健康長寿医療センター研究所)、佐藤泰(産業技術総合研究所)他の協力と連携のもとで進めた。
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Research Products
(13 results)