2011 Fiscal Year Annual Research Report
点状線源によるPET装置の新しいQC・QAとトレーサビリティ向上
Project/Area Number |
21611007
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長谷川 智之 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10276181)
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Keywords | 医学物理学 / 品質管理 / 定量性 / PET / 点状放射線源 / 校正 / 標準化 / トレーサビリティ |
Research Abstract |
PET(陽電子放出断層撮像法)は様々な生体機能の検査やがん診断及び分子イメージング研究に有用な手法であるが、その有効性はPET装置の物理特性に関わる品質管理・保証(QC・QA)の成否に大きく依存しており、中でも重要なのが定量性に関わる評価・校正である。しかし、ファントムとドーズキャリブレータを用いる従来法は信頼性・利便性に限界があり、これが臨床・研究の現場においてPETの定量性を損なう一因となっていた。本研究は、トレーサブルな点状線源を用いる新しい定量性評価・校正法を開発し、PET装置の定量性評価・校正の利便性・信頼性を格段に向上させ、PETの定量性を最大限に生かした研究を可能とする基盤整備に資することを目的とする。本年度の成果は以下の通りである。(1)^<22>Na点状線源の利用において、同時放出されるγ線が定量性評価・校正に与える影響を、新たに構築した理論モデルを用い定量的に評価した結果を発表(T.Hasegawa et al.Phys Med Biol 56:6031-45 2011)、提案手法の重要な理論的基盤を得た。(2)Monte Carloシミュレーション法と医学物理学的な洞察に基づき、バックグランドγ線の影響を受けない^<68>Ge/^<68>Ga点状線源の特性を明らかにした結果を発表(T.Hasegawa et al.IEEE Trans Nucl Sci 59:24-92012)。(3)試作^<22>Na点状線源を用い、臨床用PET装置、PET/CT装置、研究用小動物PET装置を対象に提案手法の有効性の検証を進めた(IEEE Medical Imaging Conference,医学物理学会、核医学会他で発表)。(4)本研究を関西から東北まで計9施設の共同研究へと展開した。平成24年度以降も本研究をさらに展開する予定である。
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Research Products
(7 results)