2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21611009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
水谷 隆太 東海大学, 工学部, 准教授 (70272482)
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Keywords | 生体組織 / 三次元構造 / マイクロトモグラフィー / マイクロCT / 神経回路 |
Research Abstract |
マイクロトモグラフィ法は、CTスキャンの原理により物質の三次元微細構造を明らかにする手法である。生体組織の三次元解析法としては、共焦点顕微鏡などの光学的手法も報告されてきているが、蛍光色素の特異的発現や結合を前提としており、ヒト組織への応用は難しい。また、可視光等を使用する限り、不透明な生体組織の三次元構造は解析できない。 一方、X線は生体を容易に透過するため、組織内部の観察が可能である。このことは、レントゲン写真により人体内部が観察できることからもわかる。従って、生体組織にマイクロトモグラフィ法を適用すれば、組織の微細な三次元構造を明らかにすることができる。本研究では、マイクロトモグラフィ法により、生体組織の三次元構造をミクロン~サブミクロンスケールで明らかにすることを目的として構造解析を行った。 今年度は、マイクロトモグラフィ法による生体組織の三次元構造解析法をヒト試料に応用するため、これまでに確立してきた重元素標識法を脳組織の解析に応用することを主要な課題とした。昨年度に検討した条件に基づいて、精細な解析像が得られる染色を行い、細切して適切な大きさの試料とした。既に有効性を確認しているプロトコルに従って、標識試料をエポキシ樹脂に浸漬した後に樹脂包埋し、測定試料とした。樹脂の充分な硬度を確保するために、溶媒から樹脂液への置換時には充分な浸透を行い、また硬化を進める時間も従来の2倍にすることで、測定中のドリフトのない試料像が得られた。 本課題に関連して、大型放射光施設SPring-8においては測定のための長期課題が採択されており、今年度も引き続いて同課題によって各種測定を行った。三次元構造の解析では、超並列計算環境を用いた再構成計算プログラムを開発し、迅速な画像処理が可能となった。結果の詳細については、学術誌等で発表しているとおりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成21年度以降においては、マイクロトモグラフィ法の生体組織への応用に際して、関連領域を考慮していくつかの研究項目を設定していたが、想定していなかった成果が得られつつある。従って、当初の計画に縛られることなく、これまでの結果に基づいて機動的に研究を進めることとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
重元素による標識法や標識試料の後処理法については様々な検討を進め、方法論的には確立されてきていると考えている。特に脳組織への応用で著明な成果が得られてきており、関連する外部研究者とも連携して、今後はこの分野での本手法の展開を進めていく予定である。 本方法の成果を広く発表してきたことから、今年度は査読誌からの招待による総説を発表しており、今後も関連分野の発展に寄与することも心がけていきたい。
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Research Products
(5 results)