2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21611010
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
木名瀬 栄 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 安全研究センター, 研究主幹 (70354701)
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Keywords | 幹細胞 / ドジメトリ / 線量 / ボクセル / 階層化 / モンテカルロ / 動物種差 / 外挿 |
Research Abstract |
本年度は、幹細胞ドジメトリの開発と幹細胞を起源とした細胞系譜における位置での線量分布評価研究のまとめとして、平成22年度に開発した、3次元幹細胞モデルを含むマウスボクセルファントムおよび階層化ボクセルデータ用モンテカルロ線量計算システム(コード)を用いて、単色光子の外部被ばく照射(前方照射)の場合の、幹細胞での生成粒子種と生成粒子数を評価した。その結果、光子入射エネルギーが50keVの時、マウス全身の吸収線量は4.1×10^2nGy/src(胃壁の吸収線量は1.6nGy/src)となり、O、H、OH、Haq、eaqラジカルが幹細胞でそれぞれ0、49、232、183、165、629生成されることを明らかにした。また、光子入射エネルギーが100keVの時、マウス全身の吸収線量は8.2×10^2nGy/src(胃壁の吸収線量は1.5nGy/src)となり、O、H、OH、Haq、eaqラジカルがそれぞれ9、302、1473、1171、1071、4026生成されることが判った。以上により、指定した領域での反応毎の沈着エネルギー評価等が行えることを確認し、3次元臓器詳細モデルおよびモンテカルロ計算を用いた信頼性の高い臓器線量評価法を開発した。 また、本年度は、臓器線量に関する動物種差間の外挿法研究に着手した。マウスとヒトの腎臓について、単色光子に対する吸収割合についてモンテカルロシミュレーション等により検討した結果、臓器質量の-2/3乗で吸収割合を補正した場合、50-500keVではほぼ同じになることを確認した。単色電子に対する吸収割合については、10-200keVでほぼ同じになることを確認した。得られた知見は、被ばく評価等の研究や放射性医薬品の開発に貢献できると考える。
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