2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たな放射能絶対測定法を用いたPET装置の定量性向上に関する研究
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21611013
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (90357153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 秀雄 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 専門業務員 (50166310)
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Keywords | 放射線、X線、粒子線 / シミュレーション工学 / PET / 放射能絶対測定 / 定量性 / シンチレーション検出器 / モンテカルロ計算 / EGS5 |
Research Abstract |
陽電子放出断層撮影装置(以下、PET)は、定量性の高い画像診断装置および分子イメージング装置として考えられているが、相対測定を行っているので、定量性の精度が不十分なままである。そこで、本研究開発では、新たな放射能絶対測定法を確立し、精度の高い画像測定を行う基盤を確立することを目的とする。本年度は、昨年度に引き続き、PET装置を簡素化したモデルであるシンチレータ検出器アレイについて、新たな放射能絶対測定法の検証を数値計算により行い、シンチレータを変えても、本手法によって、放射能絶対測定が可能であることを確認した。また、昨年度製作された放射線検出器集合体部である放射線検出器集合体付光電子増倍管の出力信号特性の評価を引き続き行うと共に、出力信号を信号処理回路に導入して、同時計数を行いつつ、消滅放射線とγ線を弁別して測定することが可能であることを確認した。 PET装置の校正を、より発展させ、PET装置、ウェルカウンタ、核医学用電離箱のクロスキャリブレーション手法、及び、そのための標準線源校正装置を考案した。本手法は、絶対測定により線源校正された密封点線源と、新たな絶対測定法により線源校正された溶液線源を用いて、PET装置、ウェルカウンタ、核医学用電離箱のクロスキャリブレーションをおこなう手法である。 これに加え、DOI-PET装置や市販PET装置での放射能絶対測定に関する予備的検討を引き続き行った。 今後の本研究開発の進展により、既存装置を含めた全てのPET装置、ウェルカウンタ、核医学用電離箱の測定の定量性が向上でき、多施設間による診断画像の比較を高精度に行うことで、より精密な画像診断が可能になると期待されることに加え、核医学研究、生物科学研究における計測基盤の向上にも資することができると期待される。
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Research Products
(7 results)