2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21612010
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
美濃輪 智朗 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオマス研究センター, 研究チーム長 (30358113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 幸彦 広島大学, 工学研究科, 教授 (80251370)
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Keywords | 化学工学 / 再生可能エネルギー / バイオマス |
Research Abstract |
リグノセルロースの糖化前処理として多くの研究開発が行われている。本研究では、その中で水熱前処理と粉砕処理に注目する。水熱前処理の利点は酸などの化学薬品を用いることなく分解処理を行うことができる点であり、また、ヘミセルロースとリグニンを加圧熱水中に溶解させて除去する能力に優れるが、セルロースの結晶性低下には必ずしも有効ではない。一方、粉砕処理は衝撃によるセルロースの結晶性低下に有効であることが確認されているが、リグニンおよびヘミセルロースで強固に固められた構造を粉砕するのに動力が必要となっている。そこで、粉砕を行うミルを水熱条件仕様とし、水熱条件下で粉砕を行う水熱粉砕前処理を検討する。 本年度は、昨年度に試作した内容量800mLの水熱粉砕装置を用いて、バイオマススラリー量100g、バイオマス濃度5~15wt%、回転数0~300rpm、温度160~230℃、ボールサイズ3~10mm径、ボール添加量0~1kgにおいて運転を行い、水熱条件下でボールミル粉砕を行いながら前処理が行ない、引き続き、セルラーゼを用いて後段の酵素加水分解処理を行い、生成物である糖(グルコース)の定量を、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて行った。得られた結果を、セルラーゼで分解できないセルロース、セルラーゼで分解できるセルロース、グルコース、グルコースの過分解物からなる一次反応モデルで整理したところ、アレニウス式の頻度因子は回転数、質量濃度、ボール添加量、粉砕時間の影響を受けることが分かった。本提案プロセスの評価に関して、産総研で開発している既存の水熱・微粉砕前処理-酵素糖化プロセスをベースに、本提案プロセスを導入する効果と、最適なシステムを確認するため、プロセス設計に着手した。
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