2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21613001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 徹 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80261361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄田 育宏 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (60374716)
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Keywords | MRI / 血行動態 / 微小循環 / 脳機能 / fMRI |
Research Abstract |
本年度は、(1)現状のfMRIは真の賦活領域からの排出静脈の影響を受け、描出される領域は不正確であることを定量的に示し、(2)低い拡散強調撮像(DWI)に現れる磁気共鳴信号に着目し、その生理的要因を探り、賦活領域の微細構造描出の可能性を検討することを目的とした。 (1)1.5T MRIにおいてGR-EPIを用い成人(6名)の手指タンピングのfMRI実験を行った。その際、運動野の排出静脈方向と静磁揚との角度(θ)を変えるため、通常の頭部固定に加え首を左右に傾げた状態でも固定しfMRI実験を行った。θの増加に伴い、賦活中心が頭頂方向へ変位した。また、この変位がMR Venographyで描出した排出静脈に沿っていた。この結果について、血管外信号、血管内(血液)信号およびそれらの位相を考慮し解釈できた。 (2)3T MRIにおいて成人頭部を対象に、異なるTE (54,100ms)でDWIを行った。灰白質(GM)、白質(WM)共に、b=400s/mm^2以下で現れるいわゆるintravoxel incoherent motion (IVIM)的成分の他に、20s/mm^2以下で現れる速い拡散成分が認められた。この速い拡散成分の体積比はGMおよびWMともに脳血液量を反映した値が得られ、T2値は血液の値と矛盾しなかった。また、b=400s/mm^2以下で現れたIVIM的成分の体積比は1.5%(GM)、1.7%(WM)であり、T2値は300ms以上と長い値であった。従来、このIVIM的成分は毛細血管体積を表すとされてきたが、血液は長いT2値を持たないので毛細血管体積を反映しない。一方、細胞間質液は長いT2値を持ち、かっ、毛細血管の静水圧や浸透圧により流れが生じており、b=400s/mm^2以下で現れるIVIM的成分は主に細胞間質液が寄与しているといえる。
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Research Products
(4 results)