2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21613001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 徹 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80261361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄田 育宏 財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 研究員 (60374716)
THA KhinKhin 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (20451445)
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Keywords | MRI / 血行動態 / 微小循環 / 脳機能 / fMRI |
Research Abstract |
昨年度の研究で、低b値拡散強調画像に現れる信号成分が間質液からのものであると解釈できた。今年度は、その信号成分の特徴を調べるため、健常成人6名を対象に、b値を0から1000s/mm^2まで変え、また、異なる2種類のTE(54、120ms)を用いて、脳実質の拡散強調信号を解析した。その結果、灰白質では間質液が毛細血管近傍で流れているものから、細胞間スペースによる制限拡散の影響を受けるものまで、拡散状態が広く分布しているものと解釈できた。また、低いb値の撮像で現れる主に毛細血管近傍の間質液と考えられる水の横緩和時間(T2)は、睡眠傾向が高まるに従い上昇した。このことは、睡眠時には、間質液に溶存している常磁性体である酸素分子の低下を示唆した。一方、b=1000程度の拡散強調画像に現れる主に細胞の水分子のT2は睡眠傾向に依存せずほぼ一定であった。睡眠傾向が高まり毛細血管近傍のT2が高いほど問質液の酸素濃度が低く、細胞への酸素移動量、すなわち脳酸素消費量(CMRO_2)が低下していると解釈できる。b=50程度のとき、毛細血管近傍の間質液からの信号が最も顕著に現れるので、その時のT2がCMRO_2を反映する可能性がある。なお、CMRO2の違いを描出するためには、T2を1 ms精度で求める必要がある。T2は温度に敏感であるが、脳内温度揺らぎが0.5℃以内であれば、T2測定をfMRI実験に適用してもこの精度が得られることがファントム実験により確認された。このT2測定法は、b=50なので血管内血液の影響を受けず、また、拡散強調撮像はSE系撮像法であるので,静脈周囲のT2^#変化に起因する影響を受けない。したがって、b=50の拡散強調撮像によりT2測定を行う方法は、賦活焦点以外も描出される従来のfMRIに対比し、賦活焦点を描出できる可能性がある。
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Research Products
(7 results)