2010 Fiscal Year Annual Research Report
段階的秘密交換プロトコルを利用した配達内容証明可能な電子メールシステム
Project/Area Number |
21650016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡部 寿男 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (20204018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 修一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (00303884)
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Keywords | インターネット高度化 / 計算機システム / 高信頼性ネットワーク / 電子メール / 秘密交換 / 暗号 / 情報セキュリティ / 通信プロトコル |
Research Abstract |
本年度は、2009年度に実装したプロトタイプ(以後「前実装」と呼ぶ)を基にし、それに対する改良を行った。 まず、前実装における問題点として、段階的秘密交換プロトコルの利点が我々の目的に生かされていない点を検討した。段階的秘密交換プロトコルでは、最初に秘密を(内容を明かさないまま)相手に預け、その秘密と同じ秘密を各ステージごとに送信する。もし最初に預けた秘密と異なるものを送った場合は、即座にその不正を確認できる。しかし、最初に預けた秘密が実際と異なるものであった場合は、不正を最後まで見抜けないことになる。さらに、段階的秘密交換プロトコルは毎ステージ公開鍵暗号を使った暗号化と復号を行うため、高コストである。この理由から、本年度は、段階的秘密交換プロトコルを使用しない設計とした。安全性については、即座に不正を見破れるという制約を緩め、最終的に相手の不正を第三者に証明できればよいものとした。これにより、プロトコルの簡単化と計算コストの削減を達成した。また、受領証を陽に定義せず、受信者からの確認応答を持って受領証としたため、送信者側の全探索による不正を原理的に不可能とした。これにより非対称なプロトコルとなり、計算能力に差がある二者間でも公平にプロトコルを実行することができる。 次に、このプロトコルを実装し性能を評価した。実装モデルは前実装と同じものを用いた。実装にはJAVA言語を用いた。5つのテストファイルを用いて研究室内のLANで通信実験し、(i)送信ファイルの暗号化、(ii)プロトコルの実行にかかる時間をそれぞれ計測した。その結果、本実装では30MB程度のファイルを扱うことができることを確認できた。
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[Presentation] 学術認証フェデレーションGakuninの本格運用2010
Author(s)
山地一禎, 中村素典, 片岡俊幸, 西村健, Tananun Orawiwattanakul, 曽根原登, 岡部寿男
Organizer
日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第163委員会(ITRC)第27回研究会
Place of Presentation
独立行政法人情報通信研究機構(東京都小金井市)
Year and Date
2010-05-21
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[Presentation] 学術認証フェデレーションを活用するサービスの展開2010
Author(s)
中村素典, 山地一禎, 片岡俊幸, 西村健, 庄司勇木, 古村隆明, 岡部寿男
Organizer
日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第163委員会(ITRC)第27回研究会
Place of Presentation
独立行政法人情報通信研究機構(東京都小金井市)
Year and Date
2010-05-21