2009 Fiscal Year Annual Research Report
情報損失を最小化可能なプライバシー保護のための匿名化アルゴリズム
Project/Area Number |
21650022
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩井原 瑞穂 Waseda University, 理工学術院, 教授 (40253538)
|
Keywords | データベース / セキュリティ / プライバシー / アルゴリズム / 匿名化 |
Research Abstract |
データベースに含まれる情報を開示する際に,個人が特定されるような内容を除去する匿名化が求められることが多い.名前や電話番号など個人を特定するID属性に加え,性別や年齢など個人を特定するには至らないが組み合わせにより個人の特定が可能になる準ID(QID)属性が知られている.ID属性および準ID属性の除去あるいは精度低下による匿名化を行い,k匿名性やI多様性等の制約を満足させる方法がこれまで提案されてきた.これに対し本研究では,準ID属性の組み合わせからプライバシー属性値への推論確率(QS確率)およびその逆方向の推論確率(SQ確率)というあらたな匿名化制約を定式化する.さらに匿名化により生じる情報損失を定量的に評価するモデルを構築し,このモデルのもとで情報損失を最小化する効率のよいアルゴリズムを開発する. 本年度は,QS制約およびSQ制約の定式化を行い,これらの制約のもとで匿名化された情報を表現するための,確率テーブルについてモデル化を行った.確率テーブルは,準ID属性値ごとの,取り得るプライバシー属性値の集合を個々の確率値とともに格納するものである.また,指定された属性間の値の精度を情報損失関数として表現し,任意の重みの情報損失関数のもとで,情報損失を最小化し,かつQS-SQ制約を充足する確率テーブルを生成する多項式時間アルゴリズムを開発した.JavaおよびC++を用いたプロトタイプシステムの開発を進めた.
|
Research Products
(2 results)