2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報損失を最小化可能なプライバシー保護のための匿名化アルゴリズム
Project/Area Number |
21650022
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩井原 瑞穂 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40253538)
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Keywords | データベース / セキュリティ / プライバシー / アルゴリズム / 匿名化 |
Research Abstract |
データベースに含まれる情報を開示する際に,個人が特定されるような内容を除去する匿名化が求められることが多い.名前や電話番号など個人を特定するID属性に加え,性別や年齢など個人を特定するには至らないが組み合わせにより個人の特定が可能になる準ID属性が知られている.本研究では,準ID属性の組み合わせからプライバシー属性値への推論確率(IS確率)およびその逆方向の推論確率(SI確率)というあらたな匿名化制約を定式化する.さらに匿名化により生じる情報損失を定量的に評価するモデルを構築する.本年度は,情報損失最小化の目標となるコスト関数の定式化を行い,その記述処理系の開発ならびに情報損失を最小化する匿名化アルゴリズムの実装を行った.さらにベンチマークデータへの適用によりアルゴリズムの改良ならびに実装の効率化を行った. ソーシャルネットワークサービスでは,利用者の個人属性や写真等を一般に公開するか,Friendリンクでつながれた利用者にのみ公開するかといったプライバシー設定機能がある.本機能は詳細な設定が可能になる一方で煩雑化しており,プライバシー設定の支援が必要になる,プライバシー属性オントロジーを用いて,類似する概念からリスク値を求める手法や,プライバシー設定を収集し,その統計的傾向から適切な情報開示設定を推薦する手法の開発を行った. クラウドコンピューティングでは,アクセス制御ルールの適用は複数のサーバにまたがって行われると考えられる.XML文書に対するアクセス制御ルールの適用を効率化するために,XML文書を格納する関係データベースにおいて,アクセス制御ルールの評価結果をキャッシュする方式を考察した.本方式では肌文書が一部更新されても,更新されていない部分の評価結果は再利用できる効率化を行った.
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Research Products
(4 results)