2010 Fiscal Year Annual Research Report
顔面の表情表出機能を支援・拡張するロボットマスクの研究
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21650040
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 健嗣 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (30350474)
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Keywords | 人支援技術 / 知能ロボティックス / 生体電位信号 / 認知科学 / 人工知能 / 表情生成 / 顔 / ウェアラブル・インタフェース |
Research Abstract |
本研究は,情報機械系技術の融合技術により,顔面神経麻痺患者の表情筋の随意運動機能を支援・拡張することで,患者自身の意思,つまり脳からの指令により自由に自然な表情表出を実現することを目標としている. 本年度は,顔面表情表出機能の定量的・心理的評価に注力し,簡便な装置を用いて顔面皮膚の変位を計測し,表情表出の定量的な3次元解析評価を行うとともに,印象の心理学的評価実験に着手した.また,ロボットマスクの設計と構築に関し,人工筋肉技術を応用した機械音のないほぼ無音の駆動機構により,表情筋の収縮運動方向を考慮したロボットマスクのプロトタイプを構築している.特に,複数の人工筋肉からなるアクチュエータを効率良く制御する手法を提案し,顔表面で動作させるといった具体的な成果を得た. また,顔面神経麻痺患者に対するリハビリテーションを目指し,アレイ型電極を用いた顔面に対するFES(機能的電気刺激)への基礎的な検討を始めた.これまで,バイオフィードバック療法(自分の意志のもとに表情筋をコントロールする訓練)を利用して筋肉の萎縮を予防する電気刺激療法が知られているが,後遺症予防に留まっている.提案手法により,自身の表情表出意思に基づき,表情表出を支援するための電気刺激利用の可能性を示すことが出来たため,より詳細な実験を継続する予定である.
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