2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21650045
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
加藤 俊一 中央大学, 理工学部, 教授 (50297107)
|
Keywords | 感性情報処理 / 感性のモデル化 / 質感の知覚 / 高次自己コントラスト特徴 |
Research Abstract |
本研究は、マルチメディアで構成されるコンテンツのマルチモーダルな表現と感性的等価性の計測・モデル化技術を開発することを目的としている。 本年度は、視覚に関しては、質感につながる視覚特徴の分析・モデル化を進め、どのような視覚的特徴が質感に関するイメージの知覚に影響するのかの分析を進めた。聴覚に関しては、環境雑音のある空間へのBGMの重畳による空間演出を例題に、環境雑音とBGMの特性(例:周波数帯ごとのパワーとその時間変化など)と知覚される環境雑音の低減効果との関係を調べた。 これらの研究の成果として、視覚に関しては、従来より知られている輝度(光の強さ)の隣接2点間の差分に基づく統計量よりも、輝度(光の強さ)の高次自己コントラスト特徴に基づく統計量の方が、より、高精度に質感知覚過程をモデル化できることを発見した。聴覚に関しては、環境雑音とBGMの特性(周波数帯・時間枠ごとのパワーのコントラストとその時間変化に基づく統計量)が類似している場合、環境雑音の低減効果が強まることを発見した。 これらのモデルを応用することにより、ある質感画像が人間にどのようなイメージを想起させるかを推定させること、また、より質感を強調するためには、どのような局所的な加工を施せばよいかの戦略をたてることが容易になる。また、環境雑音の影響を低減させるのに、大音量のBGMにたよることなく、人間の自然な聴覚特性を活用した空間演出が可能となる。 研究計画の2年目にあたり、感性的に等価な効果を与えるコンテンツの選択・加工・生成の基本的な手法の手掛かりを得ることができた。
|
Research Products
(3 results)