2009 Fiscal Year Annual Research Report
感性を"測る"ためのツール開発を目指した感性表出オントロジーの構築
Project/Area Number |
21650047
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松居 辰則 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (20247232)
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Keywords | 印象評価 / 感性 / オントロジー / 感性表出 / 心的過程 / 内観データ / 色彩情報 / 調和感 |
Research Abstract |
本研究の目的は人間が感性を表出する際の心の振る舞いを記述することによって,感性を"測る"ためのツールを開発することにある.そのためには次の二つのサブゴールが設定される.(1)感性表出タスクオントロジー(以下,感性ONT)の構築,(2)感性を測るツールの開発である.ここでの,感性ONTは対象に対する印象に関する心的過程を木構造で表現したものであり,その終端は印象語(群)が対応することになる.これらの心的過程について,共通の部分とそれぞれの差異を検討することでドメイン依存の知識をタスク依存の知識に切り分ける.このような作業を通して,感性ONTが構築されるものと考えられる.本研究においては印象の対象を色彩情報における調和感に限定して感性ONTの構築を試みる.特に,平成21年度は(1)感性ONTの構築として(a)印象に関するドキュメントや語りないし内観データの収集,および第1次情報としての整理を行った.具体的には次の3点を中心に研究を推進した.(1)印象(対象)の設定:印象の対象としては色彩情報における調和感の表出過程に限定して設定した.今回は単色で着色されたマグカップを印象の対象とした.(2)印象に関する語りの収集(内観データの収集):印象に関する語りは内観法により収集を行った.つまり,対象について被験者にその印象を記述させるアンケート調査,インタビュー調査を行い,印象に関する語り(内観データ)を収集した.(3)印象に関する語りのデータの整理:(2)によって収集されたデータ(内観データ)は自由記述による文章が殆どである.これらのデータに対しては形態素解析,テキストマイニングの手法を用いて文章の構成要素の関係構造を解析した.以上の(1)~(3)によってをオントロジー工学的手法によっての「マグカップに対する印象に関する感性ONT」の記述を試みた.
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Research Products
(2 results)