2010 Fiscal Year Annual Research Report
NIRS脳計測は運動学習過程の脳活動モデルを構築できるか?
Project/Area Number |
21650051
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70293248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40185187)
松崎 周一 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (60455706)
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Keywords | 運動学習 / 内部モデル / NIRS / 計算論的モデル |
Research Abstract |
本研究では,NIRSによる運動および運動の慣れに関わる脳機能評価を主な目的として,指タッピング運動を繰り返すタスクを用いてその時の脳血流動態(NIRS信号),筋電位(EMG信号)の変化をそれぞれ測定した.実験には,事前に参加同意を得た健常な成人男性4名(全員右利き)が被験者として参加し,右手による指タッピング運動を行った.実験は1日で実施され,20秒間のタスク,40秒間のレストを1試行として合計48試行行われた.NIRSの測定チャンネルは,国際10-20法に従って頭頂部Czを基準に前運動野・補足運動野をカバーするように51チャンネルがセットされた.運動中の脳活動を評価する指標として,各計測チャンネルから得たヘモグロビン濃度長変化(oxy-Hb変化,deoxy-Hb変化)ならびにSpatial Parametric Mapping;(SPM)による賦活領域の統計検定マップを用いて解析が行われた.また,筋活動の変化から運動パフォーマンスを推定するために,NIRS測定と同時に右腕部のEMG信号が計測され,運動試行の繰り返しによる筋電位の平均値,分散値の変化傾向を調べた. 本実験結果から,全ての被験者で課題遂行中に前運動野・補足運動野や一次運動野などの運動野周辺における強い脳活動がみられた.また,実験前半と実験後半の脳活動領域をSPM解析結果から比較した結果,運動中の賦活領域に異なる傾向が見られた.さらに,実験前半と実験後半におけるEMG信号では,分散値が減少する傾向が示された.これらの結果はいずれの変化もタスクを繰り返し行うことによる変化を反映したものだと考えられる.これらのことから,NIRSで測定したデータから運動を繰り返し行ったことによる脳活動の変化を観測できる可能性が示唆された.
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