2010 Fiscal Year Annual Research Report
表情トポグラフィの医療・看護学的応用-感情変化の視覚化を試みる-
Project/Area Number |
21650058
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
根本 清次 宮崎大学, 医学部, 教授 (40218277)
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Keywords | 感情変化 / 表情 / 筋電位 / トポグラフィ |
Research Abstract |
これまでに、高精度かつ軽便に実行できる表情トポグラフィの開発を行ってきた。すなわち、被験者の電位の誘導に皮膚密着型電極を開発し、筋電位を多チャンネルで記録し、FFT等の技術を応用し、周波数帯域ごとのトポグラムを安定して得ることが可能となった。これにより表情をトポグラム化することで顔貌や顔形に関わらず、客観性を高めた状態で感情評価を試みることができる。表情は顔面の骨格筋である表情筋の収縮によりもたらされるため、運動神経由来の終板電位および筋細胞由来の筋電位が反映しているものと考えられる。 平成22年度の研究では、運動時の表情変化に、その応用性を求めた。その結果、運動により爽快感を感じた被験者において口部・頬部の電位が上がるという変化が現れたが、口部・頬部には笑顔や喜びの表情の時に収縮する大頬骨筋、満足を表す頬筋が存在し、身体活動により生じた爽快感により、この部位の表情筋群が収縮し、電位が生じたと考えられる。一方、前額部には苦悩や不快を表すと言われる筋が存在し、この部位の電位の減少は不快感情の減少を示すと考えられる。疲労感を感じた被験者には前額部の電位の上昇が見られたことから身体活動により不快感情が上昇し、不快感情を表出させる前額部の電位が上昇したとみられる。以上より、表情筋トポグラフは身体活動に伴う爽快感や不快感の変化を捉えることができ、新たな運動評価の可能性を見出すことができたと考えられる。
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