2010 Fiscal Year Annual Research Report
統計的リサンプリング法と高次漸近理論の融合による実用的な高精度推測法の開発
Project/Area Number |
21650065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前園 宜彦 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30173701)
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Keywords | ノンパラメトリック推測 / カーネル法 / ブートストラップ法 / ジャックナイフ法 / 漸近平均二乗誤差 / 相関係数 / 高次漸近理論 / リサンプリング法 |
Research Abstract |
本研究では統計的リサンプリング法と高次漸近理論の融合による実用的な高精度推測法の開発の研究を行なっており、これまでの研究成果を発展させて、22年度は以下の研究成果が得られた。 1.統計的リサンプリング法の主な手法であるブートストラップ分散推定量とジャックナイフ分散推定量の理論的な表現を求め、平均二乗誤差の高次の比較を可能にした。この成果に基づき、2つの推定量の比較を行い、ブートストラップ分散推定量の方が平均二乗誤差の意味で多くの場合優れていることが示された。2.確率密度関数のカーネル型推定量について研究し、正規近似の精密化を世界で初めて求めた。また精密化の公式が数学的に正しいものであるという有効性の証明も与えることができた。3.高次のジャックナイフ型モーメント推定量の構成法を研究して、一致性を持つことを示した。これらの一致性を統一的に求めたのは初めてで、この成果は世界で最先端の研究をリードしている研究者の投稿論文からなるInternational Encyclopedia of Statistical Scienceに掲載された。4.カーネル法に基づく統計量に対するジャックナイフ型分散推定量の漸近表現を求め、それを利用して、スチューデント化統計量の分布近似の精密化を求めた。これにより実用的な意味での近似の精度を改善することができた。5.ジャックナイフ法とブートストラップ法の融合により高精度の統計的推測が可能ではないかというアイデアに基づき性質を検討し、その実用化の目途をつけることができた。6.ブートストラップ法とジャックナイフ法の関連を詳しく調べ、ブートストラップ法の方が平均二乗誤差の意味では多くの場合優れているという結果が得られた。7.繰越金を使って平成23年度数学会で研究成果を発表した。
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Research Products
(4 results)