2009 Fiscal Year Annual Research Report
海馬裂における軟膜・グリア性境界膜の生理的分解と維持
Project/Area Number |
21650084
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺島 俊雄 Kobe University, 医学研究科, 教授 (20101892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 知志 神戸大学, 医学研究科, 助教 (90244681)
勝山 裕 神戸大学, 医学研究科, 助教 (10359862)
薛 富義 神戸大学, 医学研究科, 技術専門職員 (30403231)
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Keywords | フクチン / 海馬裂 / 層構成 / 筋ジストロフィー / グリア性境界膜 |
Research Abstract |
αジストログリカンは、細胞膜の外表面に存在する糖タンパク質で、膜貫通型のβジストログリカンと結合することにより細胞膜に固定する。αジストログリカンはo-マンノース型糖鎖の修飾を受けるが、この糖鎖を介して基底膜のラミニンと結合する。そこで、胎生15日胚~生後発育期の正常マウスおよびフクチン欠損マウスを左心室より灌流固定し、凍結切片を作成して、アストログリアのマーカーであるGFAP抗体、基底膜のマーカーであるラミニン抗体、インテグリンα3、メロシン、αジストログリカン抗体等を用いてグリア性境界膜と基底膜を蛍光免疫組織化学的に染色した。その結果、フクチン欠損マウスでこれらの構造が破綻していることを明らかになった。さらに、ニューロンのマーカーであるチューブリンβIII抗体、MAPII抗体を用いてフクチン欠損マウスで軟膜を越えてクモ膜下腔に遊走するニューロン成分を免疫組織化学的に証明した。特に辺縁層に位置するカハール・レチウス細胞が最も初期に発生する皮質ニューロンであることより、同細胞のマーカーであるリーリン抗体を用いた免疫組織化学あるいはリーリンcRNAプローブを用いたin situ hybiridization法を用いた組織学的研究を行ったところ、クモ膜下腔に遊走していることを明らかにした。
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