2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21650091
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 Kitasato University, 医学部, 教授 (10318826)
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Keywords | ストレス / リン酸化 / SNAP-25 / SNARE / モノアミン / クロザピン |
Research Abstract |
SNAP-25はシナプス膜に存在するt-SNAREタンパク質で、開口放出によるシナプス前部からの神経伝達物質遊離に必須な役割を果たしている。我々は以前にSNAP-25のSer187がプロテインキナーゼCによってリン酸化されると、神経伝達物質放出機能が促進されることを明らかにした。さらにマウスに冷水拘束ストレスを加えると、脳内のストレス反応に関わる部位を中心にSNAP-25のリン酸化が亢進することや、SNAP-25のリン酸化が起こらないノックインマウスでは高ストレス環境への適応が見られないことを明らかにし、SNAP-25のリン酸化がストレスへの適応機構に関わっている可能性を明らかにした。 今年度はSNAP-25のリン酸化を制御するシグナル機構を明らかにするため、副腎を摘出したマウスに冷水拘束ストレスを加えたところ、脳内でのSNAP-25のリン酸化の亢進にはほとんど影響しないことを見いだした。マウスにレゼルピンを投与し脳内のモノアミンを枯渇させると、SNAP-25のリン酸化レベルは有意に増加し、冷水拘束ストレスを加えてもさらなるリン酸化の亢進は認められなかった。また様々なモノアミンレセプターへのアンタゴニスト作用を示すクロザピンを投与したマウスの脳でも、SNAP-25のリン酸化レベルは有意に増加し、冷水拘束ストレスを加えてもさらなるリン酸化の亢進は認められなかった。以上のことから、ストレスを加えた際のSNAP-25のリン酸化は、末梢からのフィードバック機構とは独立した機構で亢進され、そのリン酸化は脳内モノアミンによって抑制的に制御されていること結論された。
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Research Products
(5 results)