2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳の光学的測定領野内からの脳波同時計測や電気刺激を目的とした曲面状透明電極の開発
Project/Area Number |
21650095
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣田 秋彦 島根大学, 医学部, 教授 (50156717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 眞一 島根大学, 医学部, 准教授 (10145295)
榎本 浩一 島根大学, 医学部, 助教 (70112125)
濱 徳行 島根大学, 医学部, 助教 (60422010)
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Keywords | 透明電極 / 膜電位の光学測定 / ガリウム添加酸化亜鉛 / 曲面形状 / 紫外線硬化型レジスト / ラット / 感覚運動野 |
Research Abstract |
昨年度は、成体ラット脳によくフィットするように平凹レンズを電極基板とし、スパッターによりガリウム添加酸化亜鉛(GZO)の透明導電性薄膜を付着させ、電極部分以外を二酸化ケイ素膜で絶縁した透明電極を開発した。しかし、この電極を刺激電極として用いる場合、電位を測定するときには電極にはほとんど電流が流れない為問題にならなかったことが電流を流すことで問題となってきた。その一つは、GZOは半導体である上膜厚が数百nmしか無い為抵抗が大きく、電流を流すと発熱し、電極部附近の二酸化ケイ素膜が破壊されてしまうことである。解決策として、絶縁膜に弾力性の高い紫外線硬化型の透明なレジストを導入することにした。直径100μm以下の電極部のみ硬化させない紫外線の照射方法として、最終的に、基板の平凹レンズと曲率が同じ凸レンズの曲面にマスクを書くことで大きめの紫外線非照射部分を作り、更にそこに顕微鏡用の対物レンズの拡大実像面にマスクを置き、上から紫外線照射する方法を開発した。もう一つは、現在透明導電体として用いている厚さ数百nmのGZO膜では、電極部の導電物質の電気化学的な量が8μC程度しか無いため、通常用いられるduration 数msec、刺激強度20μA程度の電気刺激では100回にも満たない内に溶液中に溶出して無くなってしまう点である。解決策として、電極の大きさが光学測定の1つの領域よりかなり小さければ不透明であっても支障無いことに着目し、電極部分の露出しているGZO膜に銀ペーストを微細な針でつけ、熱処理することで、電極部分を銀で厚く覆う方法を現在試行中である。
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