2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳の光学的測定領野内からの脳波同時計測や電気刺激を目的とした曲面状透明電極の開発
Project/Area Number |
21650095
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣田 秋彦 島根大学, 医学部, 教授 (50156717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 眞一 島根大学, 医学部, 准教授 (10145295)
榎本 浩一 島根大学, 医学部, 助教 (70112125)
濱 徳行 島根大学, 医学部, 助教 (60422010)
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Keywords | 透明電極 / 膜電位の光学測定 / ガリウム添加酸化亜鉛 / 曲面形状 / ラット / 感覚運動野 / 単一掃引記録 / 自発性活動 |
Research Abstract |
昨年度までに、成体ラット脳によくフィットする平凹レンズを電極基板とし、スパッターによりガリウム添加酸化亜鉛(GZO)の透明導電性薄膜を付着させ、電極部分以外を二酸化ケイ素膜で絶縁した透明電極を開発し、光学的測定中に光学測定している領野内からの膜電位測定が可能となった。今年度は、このデータを用いて皮質に電気活動が無いことを確認することにより、自発活動が見られる感覚運動野から、光学測定を行う時に問題となる心拍動のアーティファクトをほぼ自動的に取り除くソフトの開発に成功し、オフライン処理ではあるが、自発性の電気活動を含め、かなりのデータ処理を動物が生きている内に出来るようになった。一方、透明電極を電気刺激に用いることを可能にする改良は、当初の予想を超えて非常に難しいことが明らかになった。結論としては、現在用いているGZO膜では刺激電極として用いる場合、そのまま電極のリード線とするには抵抗が大きすぎ、通常電気刺激に用いられるオーダーの電流を流した時、その発熱に耐える透明な絶縁体は、当初予定した弾力性の高い紫外線硬化型の透明レジストを含めて現時点では存在しないことが判明した。解決策としては、リード線に用いる透明導電体そのものの抵抗を1-2桁オーダー小さくすることが唯一の方法と考えられる。電極自体は小さくすれば不透明でも問題無いが、リード線は透明でなければならず、GZO以外の素材を用いるか、導電性の高い透明な導体でメッキする以外に道は無いと考えられたが、計画年度内にこの問題点を解決することは出来なかった。電極自体が電気分解されて解けて無くなる問題は、電極部分の露出しているGZO膜に銀ペーストを微細な針でつけ、熱処理することで、電極部分のみ透明では無いものの、少なくとも現在用いているピクセルサイズ(標本上で225μm四方)では、電極が含まれるピクセルからも光学記録が可能であった。
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