2009 Fiscal Year Annual Research Report
医工学的解析に基づく肺ストレッチセンサーを介した肺癌発症機構の解明
Project/Area Number |
21650113
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片野坂 友紀 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60432639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
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Keywords | 心肥大 / 心不全 / メカノセンサー / Ca2+輸送体 / チャネル・トランスポーター |
Research Abstract |
我々の体を構成するほぼすべての細胞は、生命活動において常に機械刺激(メカニカルストレス)を受けているが、細胞の機械受容については未だ不明な点が多い。これは、細胞への定量的なメカニカルストレス負荷が難しく、メカノセンサーの実体の解明が遅れたことが理由である。申請者らは、これら2つの困難を乗り越えるために、独自のユニークなメカニカルストレス負荷システムを開発し(Naruse;特願2005-317639)、これを利用して、心骨格筋のメカノセンサー型Ca2+チャネルを同定することに成功した。 肺は、我々が呼吸のたびに受動的にストレッチされる組織である。肺胞内部は、サーファクタントという脂質で覆われており、これが機能しないと直ちに肺が広がらなくなり呼吸不全に陥る。サーファクタントは、ストレッチ依存的に肺胞上皮から分泌されることが知られているが、肺のストレッチセンサーが未だ不明であるため、その分泌メカニズムは明らかにされていない。本研究では、生体の肺の膨張を再現する細胞伸展装置を開発し、肺ストレッチセンサーが、肺癌発症において重要な役割を持つことを証明することを目的とする。 本年度は、ストレッチセンサー分子と細胞増殖や分化の関係を明らかにするために、肺の膨張を再現するようなin vitro実験装置を開発した。具体的には、呼吸における肺の膨張を再現するようなin vitro実験系を確立するために、我々が既存に開発しているストレッチ装置を改良し、初代培養の困難である肺胞上皮細胞の単離技術を確立した。また、このストレッチセンサー分子が、呼吸機能にどのような影響を与えるのかを、分子から生体までマルチレベルで解析した。
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Research Products
(5 results)