2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルと超音波を用いた実時間リンパ節転移早期がん確定診断法の開発
Project/Area Number |
21650124
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 教授 (40271986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
|
Keywords | ナノバブル / 超音波 / がん / 転移 / リンパ節 |
Research Abstract |
がん全体の治癒率は50%であり,進行がんの固形腫瘍ではわずか10%でしかない.がんによる死亡原因の多くはがんが他臓器に転移するからであり,転移を制しない限りがんは克服できない.転移はリンパ行性,血行性,播種性が考えられるが,特にリンパ行性経路上で最初に位置するリンパ節,いわゆるセンチネルリンパ節転移の診断は,がんの予後判定や治療方針の決定に重要な指針を与えることになる.CT,MRI,PET,超音波などの現在の医療診断装置では,サイズ感度が低いために,直径が1cm以下の部位を「がん」であると確定することは約65%の割合で判断できないものと報告されており,早急ながん確定診断法の開発が望まれる.本研究では、大型コンピュータを介したナノバブルと超音波を用いた実時間血管構築法によって、直径1cm以下のリンパ節転移に対する早期がん確定診断法の開発を目的にする.本年度は以下の課題に取り組んだ.(1)転移ルールの解明:これまで鼠径リンパ節から腋窩リンパ節に転移するリンパ節転移モデルの作製に成功している.ここでは.蛍光観察法と染色法を用いることで,転移ルートはリンパ行性転移であることを明らかにした.(2)転移率の定量化:転移には,細胞濃度,注射容積速度,鼠径リンパ節体積などが重要な因子になる.転移実験から,これらの因子で転移率が決定されることが示された.(3)血管構築法:ナノバブルと高周波超音波を用いた血管構築法により,リンパ節内の血管体積を評価することで転移の予測が可能であることが示された.
|
Research Products
(16 results)